鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

WH妄想ストーリー

大切な書物

『救済の書』の7章「聖なる世界」の後半9頁は聖地と巡礼の解説にあてられています。エンパイアの主流神について、聖地の特徴や傾向が述べられたあとで、いくつかの巡礼路が紹介されています。 今回はヴェレナに注目してみます。ヴェレナの聖地は学識と正義に…

レーナの桃の木

前回の妄想ストーリーは長すぎました。あんまり長いのはブログという媒体に合いませんね。ということで、今後は長いやつは羊皮紙に血で書き留めておき、ブログではコラム風短文に専念することにしました。とはいえ今回も原稿用紙六枚半くらいになってしまい…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その7】(最後)

その7です。最後までです。一応ネタバレをさけてここでは語らずに本文にいきます。 *** ネズミ捕りクラウスは達成感につつまれていた。とうとう目的を達したのだ。 クラウスは貧相な小男、曲がった膝とこの眇(すがめ)、への字型のまま固まったような口…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その6】

その6です。変な化け物が出てきました。 彼女は手ぶりで全員に下がるように指示し、まずは念入りに罠を探した。そして、扉への上がり段にはめ込まれていたブロックを見つけて取り外すや、ぱっと飛び退いた。 一瞬後、碇のかたちをした巨大な刃物が天井から降…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その5】

その5です。一行の冒険は続きます。 女の案内で一行は広間をぬけ、地下通路を早足にたどった。ハイドリヒはまだ疲れがぬけず、クラウスとイェーケンに左右から抱えられるようにしてついてきた。 廊下をぬけると、円形の空間にでた。曲面をなす壁面にはアーチ…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その4】

その4です。おっさん視点で書くのに疲れて、若者の視点に変えてしまいました。もうなんでもアリです(苦笑)。しかも、男だけではつまらんので女まで出してしまいました。『ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』の冒頭小説「人生は、死を越えてなお」に出て…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その3】

その3です。ここは完璧な中継ぎなので、前置きなしで本文にいきます。 舳先の角灯が投じる明かりに、洞窟の壁面がぼんやり浮かんだ。ようやく地下の池を渡りきったのだ。 ネズミ捕りのクラウスが棹を操って小舟を岸に着けた。クラウスがまず船着き場に降り、…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その2】

その2です。モール教の聖別司祭と紫水晶の学府の上級魔術師が帝国陸軍と海軍みたいな会話をしとります。しかしまあ、【魔力点】でみると司祭はやっぱり不利ですね。入信者0→司祭1→聖別司祭2→司祭長3なのに対して、魔術師系は見習い魔術師1→中堅魔術師2→上級…

Catcher in the Sewer(下水道探索者たち)【その1】

このところの蒸し暑さで【狂気点】が額の汗粒のようにたまりまして、妄想ストーリーをひとつ仕上げました。カルロブルクを舞台にした死霊術師狩りでして、『死』にまつわる同業他社であるモール教団と紫水晶の学府が一時的に協力して下水道から敵のアジトを…

街角の白衣の聖女 【長文】

『救済の書』が発売になりました。ギリシャ的多神教世界オールド・ワールドで信仰される九大神のあらまし・禁忌・教団機構といった公的な決まり事はもとより、民間信仰、暦と祝祭、下位神といった卑俗の裏話的な情報もふんだんにあり、聖職者の日常にもまる…

ナーグルさまが見てる

【業務日誌(鳩山花子)】2009年5月18日(月)。課長以下三名は国際展示会で水曜日まで出張。小沢主任から咳が止まらないので休むとの電話連絡あり。週明けの月曜日、四つの机が無人とあってうちの課には祭りの後のような静けさと寂しさがただよっています。…