鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典 第五十回「魔法の巻物と呪文書の原型──中世の写本」が、Role&Roll Vol.175に掲載されました

 西洋中世の社会史を紹介する連載の最新回が、岡和田晃さんの筆でR&R最新号に掲載されました。

 今回のテーマは羊皮紙を用いた中世の写本です。写本がいかに大変な作業でありその成果物の価値がどれほど高かったかや、羊皮紙の長期保存性、今なお保たれているきれいな発色などについての記述が、岡和田さんらしくリーダブルな流れのなかに驚くような情報がぎゅっと詰め込まれた筆致で綴られています。

 そして今回、とりわけ特筆に値するのは見田航介さんのイラストのすばらしさです。一般的な挿絵に期待されるのは、読者の目を引くのとともに固い記述の息抜きになる箸休めのような効果なのだと思いますが、この連載の場合はイラストコーナーの面積も大きく、本文で語りきれなかった情報を補足するという役割も担うことになっています。文字情報が多くなればごちゃごちゃして絵としてのインパクトが減少してしまうのは当然のことなのですが、そこを見田さんは毎回うまく処理してインパクトを保ってくださっています。とくに今回の彩色写本の絵の部分は本当にすばらしく、ぜひ本誌でご覧いただきたいものであります。

f:id:Machikane1192:20190417163325j:plain

 

Role&Roll Vol.175

Role&Roll Vol.175