鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

帝国アハト刑と人間狼についての記事が、Role&Rollに掲載されました

 岡和田晃さんと自分がリレー連載をしている中世史実のうんちくコラム。TRPG専門誌「Role&Roll」のVol.137に新たな記事が掲載されました。
 今回は自分の筆で、「狼男の正体見たり?――帝国アハト刑の罪人、汝は人狼なりや?」というものです。

 公権力による裁判と処刑が広まる以前の自力救済手段としてのフェーデ(私闘)については同誌Vol.133掲載のコラムで取り上げたのですが、フェーデで争うことの許されない問答模様の重罪についての規定もありました。具体的には神への冒涜、夜間の重窃盗、強姦などが対象になるのですが、その罪人は「平和喪失」という処分を受けて全法益を剥奪され、単身で森へ追放されたのです。これが「帝国アハト刑」です。

 追放時に狼の皮をかぶせることもあったようで、アハト刑の罪人は「人間狼」とも呼ばれました。

「人間狼」といえば、人気のゲームでもあり、「狼男」との関連も推測されるところです。

 そのあたりを記事にしました。今回も見田航介さんのイラストが出色で、狼の生皮をかぶったオドアケルの姿が迫力万点なだけでなく、本文の至らないところを吹き出しの台詞で補足してくださっていもいます。本当に、毎回頭が下がるばかりです。

Role&Roll Vol.137

Role&Roll Vol.137