英国版「GQ MEN OF THE YEAR 2018」受賞記念、チャールズ皇太子の密着記事がGQ Japan 2019年1・2月合併号に掲載されました
「インターン」には「〔医学〕研修生」にくわえて「被抑留者」というダブルミーニングがあります。チャールズ皇太子は1948年11月14日生まれですから、日本でいう「古稀」を先日迎えました。70歳という年齢を目前にしていまだに見習いの地位に置かれ続けていることが、チャールズという人の人生のままならなさを何より象徴しているように思えます(以下引用箇所の下線は自分によるものです)。
While some might like to cast Charles’ entire life as a prelude (he is, after all, the world’s oldest intern), in truth he has lived a life as rich as any king. He has certainly worked as hard.
英国版『GQ』編集長ディラン・ジョーンズがそのinternという言葉に次の英国王への敬愛と同情の念をいっぱいに込めた密着記事の抄訳が、GQ Japan最新号に掲載されました。
チャールズ皇太子はダイアナ元妃の圧倒的な世界的人気の陰に押しやられ、彼女を死に追いやった不実な夫というイメージが決定的となるなかでの不人気さにあえぎ、そのなかでもみずからの務めを誠実に果たしてきた人です。
不人気いう逆境のなかでいかにベストを尽くすべきかというのは自分も含めた多くの者にとって身につまされる命題であり、そういった点からのチャールズという人への興味が尽きません。
なお今回の翻訳には編集の手が多く加わっています。そちらもまた今後の参考にしていきたいものです。
GQ JAPAN(ジーキュージャパン) 2019年1・2月合併号
- 作者: Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン),GQ JAPAN編集部
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2018/11/24
- メディア: 雑誌
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今昔物語集 巻七第五話「二人の僧の明暗を分けた修行のあり方」が掲載されました
エクリプス・フェイズ 入門シナリオ&運用ガイド「悪夢の衛星タナカの恐怖」が、Role&Roll Vol.170に掲載されました
前世が牛だったから超一流の人間にはなれないという説話から、現代人の我々は何を読み取るべきなのか?
最底辺労働者は「今昔物語集 現代語訳」プロジェクトに参加しています。ずいぶん間が空いてしまいましたが、震旦(中国)篇の巻七第四話が本日掲載になりました。
題して「神童が前世を知る話」。齢10歳にして『大般若経』二百巻をそらんじる神童が中国にいたのですが、残りの四百巻については出家得度後にどれだけ努力してもいっこうに覚えられません。いったいどうして……と思い悩むこの僧侶の夢枕に一人の僧が現れ、そなたの前世は牛だったので云々というお話です。
現代人にとってはトンデモすぎてどう受け止めてよいやらという説話ではありますが、転生というのはさすがに非科学的にすぎるにしても、「鳶が鷹を生む」「蛙の子は蛙」というように、血筋がその人の潜在能力に影響を及ぼすというレベルに置き換えて考えたなら、能力の壁への説明としてある程度の説得力を持ちうるのかもしれません。
つまりは血統学であり、競走馬に関してはかなりの理論化と体系化がなされている分野です。この馬の子や孫には短距離向きのスピードがあり、あの馬の子孫には長距離向けのスタミナがあるといったことが、馬券予想の大きな検討要素になっているのです。
20世紀の最後の最後にG1レース9勝という大活躍をしたスペシャルウィークという馬がいました。父が「アメ車」サンデーサイレンス、母が「大和撫子」シラオキ系のキャンペーンガールという配合の妙が競馬ファンの琴線を刺激して止まない馬なのですが、彼の母系の祖先である基礎牝馬の輸入をめぐる明治末の物語を脚色して短篇小説にしたてた作品に、小川哲さんの「ひとすじの光」があります。
『S-Fマガジン』2018年6月号に掲載された作品なのですが、フィクションならではの嘘に小気味よさがあり、さすがは『ゲームの王国』で日本SF大賞と山本周五郎賞に輝いた若手のホープだと感服したことが記憶に新しく、そのあたりについても言及しました。
『鏡の中の少女』ほか2件の書評が、「トーキングヘッズ叢書 No.76」に掲載されています
TH叢書最新号の特集は「天使/堕天使──閉塞したこの世界の救済者」です。
堕天使と聞くとプログレ者としてはKing Crimsonの「Fallen Angel」が真っ先に浮かんでしまうのですが(オリジナル曲の動画が見つからず、ジョン・ウェットンとエディ・ジョブソンという元UKのふたりによるセッションを埋め込みました)、それはともあれ特集レビューコーナーに書評3点を寄稿しました。
と、特集テーマとの密接度において少々苦しいものとなっており、書き手の実力とともに今後の課題となっております。皆さんの記事や書評を拝読して精進する所存であります。
天使/堕天使〜閉塞したこの世界の救済者 (トーキングヘッズ叢書 No.76)
- 作者: アトリエサード
- 出版社/メーカー: 書苑新社
- 発売日: 2018/10/30
- メディア: 単行本
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韓国のクローン犬ビジネスについての記事ほか一件がGQ Japan 2018年12月号に掲載されています
10月25日発売のGQ Japan最新号に、表題の翻訳記事が掲載されています。 愛犬の亡骸を剥製にして別れを惜しむ人がいますが、今やそれがクローンでできてしまう時代ということで、歌手/女優のバーブラ・ストライサンドがクローン犬を飼っていることを公表したことが驚きと一部のバッシングをまねくという事態も起きています。
人間に捨てられて殺処分を待つばかりの捨て犬もたくさんいるわけで、ペットの命の重みは等しいはずなのに、クローン犬ばかりに大金が投じられることに疑問を投げかける人もいるわけです。
この記事は、韓国の生物学者・黄禹錫(ファン・ウソク)氏が代表を務めるスアム生命工学研究院への取材記事です。同研究所では最大10万ドル(約1100万円)の費用で愛犬のクローンをつくってくれます。
黄禹錫氏といえば、ヒトクローン胚からの胚性幹細胞(ES細胞)の作成に成功したとする論文を捏造し、さらに研究費の使い込みなども判明したことで一切の公的地位を失った過去のある人物です。もちろんその罪は重いですが、どん底に落ちた学者のその後の人生という意味でも興味深いストーリーです。
あともう一件、LSDなどのパーティードラッグの精神治療薬への転用についての翻訳記事も担当しています。
- 作者: Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン),GQ JAPAN編集部
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: 雑誌
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ところでこのたび、はてなダイアリーからはてなブログに引っ越しをしました。無事にTwitterなどに連携されるかのテストもからめまして……。
「仮面に隠された素顔 ── ビョークの奔放なひらめきにかたちを与えた刺繍アーティストが登場」という記事がGQ Webに掲載されています
こちらの記事が掲載されております。
アイスランドの歌姫ビョークがステージでまとうヘッドピースの作り手として注目を集めている若きイギリス人、ジェイムス・メリーにスポットライトを当てた記事です。
the man behind Björk's otherworldly masks.の部分を「ビョークを異世界妖精たらしめる〜」、Björk's kaleidoscopic headpieces.を「万華鏡世界をビョークの頭上に出現させる」などと工夫したのですが、どうにも訳しきれない難しい部分のある原文でした。冒頭のA leap of faith is sometimes just that:というのが特に訳しにくかったのですが、編集部に「神頼みの跳躍なるものは、ときにこんな形もとる」というすばらしいものにしていただけきました。これを含めて随所を編集の手できりりとした表現にしていただいたお蔭でメリハリのついた記事になっていると思います。どうもありがとうございます。