鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

GQ Japan 8月号に、“性”にまつわる翻訳記事2本が掲載されています

無宿人関宿(自称)、石川島ならぬ飛島の人足寄場から娑婆に戻っております。街はすべてが眩しいですね。
さて、6/24発売のGQ Japan最新号に翻訳記事2本が掲載されております。

今回も奇しくも、2本とも“性”にまつわるもの。それも性犯罪者の“逃れの町”についてと、エアギターのエロエロ版である「エアセックス」というステージプレイについてと、両極端の事象を扱ったものです。

言うまでもなく“性”は人間の煩悩の最たるもの。その煩悩から罪を犯してしまった性犯罪者は、現代社会で最も忌避され、蔑視される存在と言えるでしょう。ことにアメリカは性犯罪者に厳しく、被害少女の名を取った「ミーガン法」や「ジェシカ法」によって犯罪者はGPS足輪の装着を義務づけられ、顔写真が公表され、児童が集まる施設やバス停などから一定距離以内の居住が禁じられることもあります。

ウォルマートに行くと自分の顔写真が貼られていて、すぐに通報されて囲まれるので買い物にも行けないという体験談もあります。

卑劣な性犯罪を犯したのだから自業自得だという意見もあるでしょうが、問題は、アメリカが未成年への性行為に対して厳しすぎることです。たとえば18歳で15歳の彼女と相思相愛の関係にあって、彼女の両親から訴えられたというだけで刑務所に10年以上も叩き込まれ、その後も一生性犯罪者の烙印を押され、さらし者にされ続けるということもあります。

フロリダ州南部のサトウキビ畑の中に、性犯罪者たちが安住の地を求めて集まったパーリアヴィルという村があります。
「人里離れたこの村はどこか流刑地や収容所めいてもいるが、真夜中にやってきて性犯罪者を引きずりだし、前歯を足蹴で砕こうとする自警団の暴虐から彼らが一致協力して身を守れる唯一の土地だ」

この村を訪ねたGQのcontributing writerによる記事を訳しました。原文はたいへんな力作で、自分がこれまでに担当した中では、殺し屋に化ける囮捜査官の記事とともにベストを争う圧巻の読み物です。

いわゆる「酒鬼薔薇聖斗」氏の手記が話題になっているようですが、彼は14歳で2名の殺害を含む連続殺傷事件を起こし、逮捕され少年院に送られましたが、その後は法律に守られ、もちろんウォルマートに顔写真が貼られるようなこともなく、社会復帰したそうです。

罪をいかに罰するべきか、そして何をもって犯罪者の償いを認め、社会に受け入れるべきかという点で、非常に多くのことを考えさせられる記事です。

【GQ Special Welcome to Pariahville ようこそ、パーリアヴィルへ 性犯罪者が集まる「奇跡の村」】

さてもうひとつの記事は、うってかわって陽気なお祭り騒ぎ。
踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損、損。
という感じで、セックスをエアで演じるエアセックスの記事です。
なんでもこれ、日本が発祥のようですね。

【GQ Special What is Air Sex? ルーツは日本!! アメリカでエア・セックスが流行中!?】