鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

“裸の王様”ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ告発劇をめぐる翻訳記事が、GQ Japanに掲載されています。

Me Tooを合言葉にセクハラ被害を公言することが大きなうねりになっていますが、一連の騒動の震源となった人物、ハリウッドで長年幅を利かせてきた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインについての翻訳記事が、先週発売のGQ Japan 2018年3月号に掲載されています。

記事の執筆者はMicheal Wolff氏。トランプ政権の内幕暴露本『Fire and Fury(炎と怒り)』でいま話題の書き手ですが、この人の文章というのは一見悪文の見本のような難文なのですよ。この道20年近くになる翻訳者の自分が見たこともない単語がひとつの記事中に4つも5つも出てくる始末。

海獣のごとき肥満体を裸の王様に見立て、そのイメージを翻訳の基調にしましたが、まだまだ硬さがあるなあと自戒しております。まあ編集と校正でのトーン変更などいろいろあるのですが。

さてこの号は特集が「ミュージック&スタイル」で、ミュージシャンや俳優についての翻訳記事が他にも多くて目を引きました。日本人ラップシンガーDAOKOとBECKのコラボについての記事や、『ローリングストーン』誌とジョン・レノンの関わりについての記事、そして映画界の大レジェンド、アラン・ドロンについての記事など、いずれも読み応えがあり勉強になります。自分ももっと精進しなければ……と決意を新たにしました。