鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

EP新リプレイ「地球降下作戦」第三回がRole&Roll Vol.129に掲載されています

 近未来SF-TRPG『エクリプス・フェイズ』の新リプレイ、朱鷺田祐介さんによる連載第三回が、R&R誌最新号に掲載されています。
 お馴染みのキャラ“タイタンの探検家”アルビン・ダルベーリがワームホールをくぐった探検先でとつじょ現れた回転ノコギリに斬首され、彼の大脳皮質記録装置に記録された「Subway NY」という謎の言葉から、本来ワームホールが存在しないはずの地球上にホールがある可能性が示唆されました。
 10年前におきたTITANSの暴走による“大破壊”で地球は壊滅、現在はTITANSの戦闘機械が徘徊する地獄のような場所となっているのですが、そこにトランスヒューマンの生存者を名乗るジョージ・アダム・スミスなる人物から救援依頼が届きます。「世界の秘密を変えるエイリアンの秘密を手に入れた。それが欲しければ、私たちを救え」と。
 その上さらに、チャイニーズマフィア「三合会」の大物・劉大人の個人的な事情もからんできます。劉大人はかつてニューヨークで洗濯屋チェーンを経営していたのですが、抗争の仲裁で留守にしている折にミサイル攻撃で孫娘たちが命を落とすという出来事がありました。現在、地球は封鎖されていて近づけないため、この機に孫娘たちの大脳皮質記録装置を回収してほしいと、劉大人は手下のチンピラ、李老鷹を送り込み、おなじみのパーティとともに地球に向かわせます。

 という前置きは前回までで、今回からはいよいよ地球降下作戦となります。

 戦艦「ニューヨーク」と空母「ジョージ・ワシントン」の支援下に揚陸艦16隻をマンハッタンに降下させ、島内の戦闘機械を相当して拠点化するのが当面の目標です。
 クモ型ロボット義体を着装した労務者キャラ、イブン・チャンドラが自身のフォーク9体を加えて10体で一個小隊を編制したものを中心戦力に、おなじみのキャラたちはサポートに回り、まずはマンハッタンで戦闘機械群との遭遇戦を戦います。

 さて『エクリプス・フェイズ』ではd100のゾロ目で決定的な成功(もしくは決定的な失敗)が発生します。d10のゾロ目ですから確率1/10、そのゾロ目が目標値以内から決定的成功に、目標値を超えていれば決定的な失敗になります。1/10というなかなかの高確率で劇的な出来事が起きるわけです。

 それがリプレイでもまざまざと現れます。
 まず最初、イブン10体のうち7号機への敵の攻撃が33で決定的成功となり、せっかくの固い装甲をすり抜け、さらに目標値より30以上低い目で成功したのでエクセレントともなって、ダメージが+5され、7号機はボロボロになります。

 次にアルビンへの敵の攻撃が55で決定的な成功に、それへのアルビンの〈回避〉が77で決定的失敗とダメ押しになります。
 ここでアルビンは【勇気】を1点消費して決定的失敗を通常の失敗とし、からくも窮地を逃れます。

 と、エキサイティングな展開の中にさりげなくルールのキモを織り交ぜるところもさすが朱鷺田さんならではの手腕! ぜひ、お読みください。

 来月号ではクトゥルフショゴスのようなホラーな何かも登場し、ますます目が離せません!

Role&Roll Vol.129

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