鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

『今昔物語集』震旦部巻七第一話、玄奘三蔵をめぐる奇瑞譚の現代語訳が公開されました

今昔物語集』の本朝部は芥川龍之介の諸作品の元ネタとしても有名ですし、倉橋由美子『大人のための残酷童話』など、幅広い現代作品に採り入れられています。そして現代語訳も幾つもあり……というか、『今昔物語集』の名で出版されている本の多くは本朝世俗部の膨大な説話のなから選りすぐりを取り揃えたコンピレーションとなっております。

 ちなみに自分もシミルボンで何度か記事を書いています。たとえば次の2本など。
エロスと残酷――倉橋由美子・芥川龍之介の大人向け説話の魅力
天女の汚穢と不浄観、醜怪の極みを観じてもなお切実な男のエロス

 そのいっぽうで天竺部と震旦部(震旦とは中国の古名)が現代語で紹介されることは少なく……という理由もあって著述家の草野真一さんが立ち上げた「ほんやくネット」というプロジェクトに参加しました。

 自分は震旦部を担当することになり、その第1回として巻七第一話が、このほど公開になりました。

巻七第一話 光を放つ『大般若経』 美しい夢を見た話

 まずはご覧いただければ幸いです。

 また、ほんやくネットでは現在参加者を募集中ですので、我こそはという方はぜひ立候補を。自分にご連絡いただければ、草野さんにつなぎますよ。

大人のための残酷童話 (新潮文庫)

大人のための残酷童話 (新潮文庫)

少将滋幹の母 (新潮文庫)

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