鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典第30回がRole&Roll Vol.135に掲載されています

フィクションの鏡を踏みまたいで現実中世の風俗や文化を紹介する連載。その第30回が、R&R誌最新号に掲載されました。

今回は岡和田晃さんの筆で、テーマは中世の暦です。

誰もが時計(あるいは時計代わりの携帯電話)を身につけている現代とは違って、一般大衆になじんでいたのは不定時法、つまり日の出から日の入りまでを12等分する方法で、そのため季節によって一時間の長さが変わるというのは、なんとなく知識として頭の片隅にあったという人は多いかもしれません。

しかし中世人の時間感覚のベースが、救世主が再来して最後の審判が訪れる日が歴史の終点という想定にあったというのは、現代を漫然生きているだけでは知るべくもないことです。そういった豆知識が岡和田さんならではの読みやすく流れのよい文章で披露されていて、創作やTRPGのシナリオの味付けに生かせそうです。

岡和田さんの回を拝読していつも唸らされるのは、冒頭掛け合いがただの前ふりに終わらずに、軽妙なセリフのやり取りのなかにも重要な情報がいくつも織り込まれていることです。このあたりは自分も学んで少しでも岡和田さんの域に近づければと思うばかりです。

そして今回も、見田航介さんによるイラストが出色です。アストロラーベという天文器具のイラストを中心にどーんと据えて、細かな豆知識が見やすく、わかりやすく配置されています。

TRPGの趣味人以外の目に触れる機会がなかなかないのがちょっぴり残念ですね。多くの方に読んでいただきたいイラスト入りコラムです。

Role&Roll Vol.135

Role&Roll Vol.135