鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典第39回がRole&Roll Vol.153に掲載されています

フィクションの鏡を踏み跨ぎ、現実中世の世相風俗を紹介するリレー連載、その第39回がR&R誌最新号に掲載されました。

今回は自分の筆で、中世ブルガリア発祥の異端信仰、ボゴミール派について紹介しています。

キリスト教の異端派といえばフランスやイタリアのカタリ派が有名で、連載第16回に岡和田晃さんの筆で紹介しています。ボゴミール派はそのカタリ派を生んだ源流とも言え、バルカン半島南部から遠いフランスまでそうした交流があったあたりにも、十字軍の影響が伺えます。

さてそのカタリ派には比較的裕福な信徒も多かったのですが、ボゴミール派は10世紀の成立時点では封建制度の発達で没落した農民が主たる信者層で、持たざる者たちのイデオロギーということで後世の共産主義との関連性も追求したくなるところなのですが、このあたりは自分の実力不足で調査を尽くすことができず、そちらに筆を割くことができませんでした。

それもあって今回は特にライターの実力不足が目立ってしまっているかと思うのですが、いつものように見田航介さんのすばらしいイラストが情報とインパクトを補ってくださっています。

堕天使サタナエル対大天使ミカエル(イエス・キリスト)というのは色々と応用できそうな魅力的な設定なので、ぜひ見田さんのイラストをご覧になってください。

Role&Roll Vol.153

Role&Roll Vol.153