鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

「110歳倶楽部」と「アルマーニのインタビュー」がGQ Japanに掲載されました

無宿人関宿(自称)、しばし人足寄場から解き放ちとなっております。連日35℃前後の暑さのなか(この地方では毎年のことですが)で働く労働者諸君に申し訳ないと思う反面、晩酌の(第三の)ビールのこのまま悶絶死するかと思うほどの旨さが味わえないのが少々心残りでもあります。

それはそうと、GQ Japan 2015年9月号が7/24に発売となっております。
今回の特集は“肉”! ページを繰れども繰れどもうまそうな写真が大インパクトで並んでおります。

やはり写真の発色のすばらしさは紙媒体ならではのもので、見開きのサイズの大きさやパノラマ的効果もあり、その見栄えはデジタルの及ぶものではありませんね。

自分が担当したジョルジオ・アルマーニへのインタビューの翻訳を見ても、ファッション界の巨匠が大写しになった冒頭の写真は屏風絵のような美しさで、原稿のPDAとは段違いの見栄えのよさです。まあパソコンでも環境によってはかなりきれいに見ることもできるのでしょうが。

それはそうとこの記事のために、リチャード・ギア主演の『アメリカン・ジゴロ』を観たのですが、アルマーニのスーツを着る若き日のリチャード・ギアはかっこよかったですよ! 今では寅さんの格好をしてオレンジーナのCMに出ていますが。

アメリカン・ジゴロ [Blu-ray]

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さてもう1本は、Super Centenarian Clubというキーワードで、110歳以上の存命男性に焦点を当てたユニークな記事です。
110歳というと、1904年生まれくらいですから、それこそ日露戦争や、セオドア・ルーズベルト大統領、ライト兄弟の初飛行のあたりに生まれた人たちです。まさしく20世紀の生き証人ですね。

ひとつ興味深いというか、胸を撃たれたのは、当時のアメリカ南部はジム・クロウ法という人種差別を制度化した法律の支配下にあったせいで、出生証明書を持たない黒人男性が少なくなかったという事実です。この記事には2人の黒人男性が出てくるのですが、いずれもジム・クロウ法時代の深南部出身で、出生証明書がありません。そのため実年齢が明確には特定できないのですが、うちひとりは、本人が覚えている歴史的事実によれば、116歳になっている可能性があります。これは、日本人の木村次郎右衛門氏が有する男性史上最長寿記録(116歳54日)をしのぐかもしれないものです。

ところで自分が若い頃には、鹿児島県の泉重千代さんが120歳になり、最後の江戸時代生まれとして話題になっていました。
1865年8月20日生まれですから江戸時代についてのご記憶はご本人にはないにしても、すごいことだと思っていたのですが、この泉さんも戸籍に信憑性が薄いとのことで、ギネス記録が後に取り消されてしまったのですね。

確実な世界史上最長寿はフランスのジャンヌ・カルマンさんで、122歳164日であります。