鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

朝獲れた鮮魚がその日のうちにお店に届くサービスの記事がダイヤモンド・オンラインに掲載されました

関東地方は巨大な消費地です。日本の農水流通システムは魚貝や肉野菜をいかに新鮮なままで関東地方に届けるかを最優先に構築されています。おかげで、九州や北海道で朝獲れた鮮魚が航空便でその日のうちにお店に届くというサービスも出てきています。

しかし日本地図を眺めれば明らかですが、東京は日本最大の湾の最奥にあり、外海から遠いのです。さらに全国の主要漁港からも遠く離れています。大阪、名古屋も同様に大きな湾の奥にあります。

日本の大都市にはそのように湾奥にあるものが多いのですが、そうでありながら、玄界灘の好漁場がすぐ近くにあるのが福岡市です。同じ福岡県でも北九州市なのですが、戸畑区に友人がおりまして、電話で聞いたところ、現地ではサバやトビウオの刺身がスーパーで売られているそうです。ネットで検索しても、やはり福岡県ではサバの刺身がスーパーで当たり前のように売っているようです。自分が知る限り、東京や名古屋では考えられないことです。

朝獲れ鮮魚直送のサービスは、ITを活用することで市場を通さずに漁港から鮮魚を直接店舗に届けるものです。従来ですと、いい魚はみんな築地に送られてしまうという大河のごとき流れがあったのですが、そうした太い導線とは別に細い導線を自由に引けるようになったのがその種のサービスのすばらしいところです。

なのになぜ、東京にしか目を向けないのか?
いくら巨大な消費地であるとはいえ、東京圏の人口は日本の総人口の約28%です。残りの7割以上は地方で暮らす人なのです。地方でこそ、この種のサービスが伸びる余地があるのではないか、という視点で記事にしました。

ところで記事タイトルは「その日のうちに食卓へ」と変更されてしまいましたが、朝獲れ鮮魚直送サービスの大半は個人向けではなく飲食店や旅館業向けですので、家庭を連想させる「食卓」という言葉はできれば避けたかったところです。提出時には「テーブルへ」としていたのですが。

また、記事内で三重県紀伊長島の「魚匠 海人」という業者を紹介したのですが、多くの人には馴染みのない場所なので手作りの地図を用意していました。素人臭い地図だったせいか、その地図は記事に載せてもらえなかったので、せめてもとここに添付いたします。

地方の朝獲れ鮮魚がその日のうちに食卓に!物流とITが可能にした喝采のサービス