鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

ソーシャル・カーナビアプリ「Waze」についての記事がダイヤモンド・オンラインに掲載されました

 カーナビもオンダッシュの社外品などはだいぶ安くなってきました。そのいっぽうで、スマホタブレットをカーナビ代わりに使うことも当たり前のようになってきています。
 たしかにGoogleマップはナビとして必要充分ですが、高速の出口や交差点でレーンをポップアップする機能まではさすがにありません。サービスを有料化することで専用品に近づけたアプリも各社から出ています。いっぽうで専用品のカーナビにはオーディオやバックモニターとしての機能もあり、それによってアプリとは差別化する流れもあります。

 いずれにせよ、カーナビの命は地図の精度と更新頻度です。その点で、高い更新費用がかかる専用機は大いに不利な立場に立たされています(最初の3年間は更新無料といったものも多いですが)。Googleマップなら更新頻度の高い地図を無料で利用できるので、専用機はそもそも競争で大きなハンデを負わされています。

 さてこの地図の精度や渋滞情報にソーシャルの力を用いるというイスラエル発のユニークなアプリがあります。「Waze」です。
 ユーザーが地図を編集できるほか、渋滞や事故の情報をリアルタイムで投稿することもできます。ユーザーによる細かな修正が積み重なって地図の精度が高まったことで、アメリカでは地方のテレビ局の交通情報の報道にWazeの地図が使われているほどだと言います。

 残念ながら、名古屋市とその近郊で使った限りでは、使い物にならない印象でした。何より問題はアルゴリズムで、明らかに遠回りな国道経由のルートが指示されるほか、一方通行路も表示されません。これはユーザー数が少なすぎるからという以前の問題なので、アプリそのものに日本向けのカスタマイズがまだまだ必要という気がします。

 ちなみにGoogleマップがあれだけの精密なのは、ゼンリンの地図データを利用できているからです。ユーザーには見えないところでお金がかかっているわけですね。
 そのあたり、車載専用機にはせっかくすぐれた器があるのですから、地図データをどこからか持ってくることで安く頻繁に更新できるしくみができればまた変わってくるのかな、とも思います。

 Wazeの日本でのサービスがもっと定着して洗練の度が増していけば、そのあたりに変化が起きるのかなと思っています。

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