鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」連載第8回のご案内


 今月発売のRole&Roll Vol.91に、表題の隔月連載が掲載されています。
 今回の記事は「開拓者にして愛国者――中世の海賊」と題され、岡和田晃さんが執筆されています。
 海賊というとパイレーツ・オヴ・カリビアン、あるいはワンピースというのが我々にすり込まれたイメージなわけですが、ヴァイキングの海賊活動や、バルバリア海賊という、国土回復運動によってイベリア半島から追い落とされたイスラム教徒の海賊についてなど、西洋史に詳しい人でも知っていそうで知らない情報が、豊富なエピソードとともによどみない文章で綴られています。
 ダークエルフのフィンディとドワーフガリーという持ちキャラの掛け合いの小気味よさも岡和田さんの持ち味でして、見開き2ページに多くの情報が詰め込まれ、それでいて窮屈さを感じさせないというのは、さすがは岡和田さんだと改めて感服した次第です。

 見田航介さんのイラストは、今回も出色の出来です。
 ロングシップやガレー船の構造が側面や上面から描かれ、大変資料性の高いものでありながら、シルエットの美しさもにじむようで、この連載の価値を高めることに大きく寄与しています。

 自分の文章の欠点は、すんなり消化できる以上の情報をムリに詰め込もうとしていることだと気づいたので、次回は岡和田さんに一歩でも近づけるように頑張ります。

Role&Roll Vol.91

Role&Roll Vol.91