鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

鈴木康次郎作「“赤猪”山を覆う霧」が公式サイトにアップされました

 ダンジョン&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons、以下D&D)第4版のアドベンチャー・シナリオ「“赤猪”山を覆う霧」が、D&D日本語版の発売元であるホビージャパン社の公式サイトにアップされました。
 これは2レベル・プレイヤー4人用の冒険シナリオですが、6人まででプレイ可能です。戦闘遭遇2回、技能チャレンジ1回のコンパクトな構成となっています。『ダンジョン・デルヴ』のアドベンチャーがいずれも戦闘遭遇3回ですから、それよりも短時間で終えられる(3〜5時間とのこと)わけで、午後からのセッションや、オンライン・セッションにも適した題材ですね。
 しかも本作の出来合いキャラクターは、2012年3月に発売されたD&D第4版エッセンシャルズのサプリメント『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』(HoFL)のクラスを用いたものとなっています。具体的にはファイター(ナイト)、クレリック(ウォープリースト)、ローグ(シーフ)、ウィザード(メイジ)、ファイター(スレイヤー)の5名が用意されています。HoFLにはアドベンチャー・シナリオは付属していないので、同作で追加されたクラスを試すのにももってこいですね。
 作者はD&D翻訳者の鈴木康次郎さん。康次郎さんはDM経験も豊富なベテラン・ゲーマーで、やり込んだ人が作ったシナリオらしい工夫が、本作にはいろいろと凝らされています。
 技能チャレンジの管理シートが、その随たるものです。D&D第4版の技能チャレンジには、どこかとらえどころのない印象がありましたが、国産ゲームの手法をうまく取り入れてプレイアビリティを高めた好例だと思います。
 また、敵キャラのセリフにも康次郎さんテイストが横溢しています。11ページのコラム「“爆裂帝”フラムのロールプレイ」をぜひご一読ください。このテイストはなかなか余人には出せないと思いますね。翻訳作業で長年ご一緒するなかで、いつも康次郎さんのテイストには感服していました。

 ダウンロードはこちらのページから。ダウンロード・インデックスに列挙されたタイトルのうち「“赤猪”山を覆う霧」をクリックしてください。