鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

古書独特の雰囲気は電子書籍では再現できない?

古書店にふらりと入ったら、昭和15年発行の軍事書籍があって、古今東西の有名な会戦の戦況図のようなものが折りたたみ式で「カポレツト会戦ハ伊太利亜ニテ……」といった文体での解説付きで多数入っていました。印刷の文字のかすれ具合などを電子書籍で再現することはできると思いますが(Google Booksで見たことがあります)、紙の手触りや書籍全体の古色蒼然ぶりといった全般的な雰囲気はやはりどうやっても電子で再現できるものではないと実感しました。情報として古書が読みたい人には電子版で充分でも、古書を手に取って雰囲気にひたり、イマジネーションを高めたいといった人にはやっぱり紙じゃないとだめだなあ、と至極当たり前のことを改めて感じたのでした。