鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

世界一幸せな男、フランス生まれのチベット仏教僧マチウ・リカールについての翻訳記事がGQ Japanに掲載されました

GQ Japan 2017年1月号は「GQ Men of the Year 2016」特集号です。授賞式のようすはテレビニュースでも報じられたので、ご覧になった方も多いのでは?

そして裏特集の「GQ麺 of the Year 2016」も健在です(笑)。この流れは毎年つづけて欲しいですね〜。

自分は表題の翻訳記事を担当しました。マチウ・リカール師はパストゥール研究所の超エリート研究者からチベット仏教僧に転進した異色の経歴の持ち主で、fMRIという装置を用いた前頭葉の計測で、異常値に分類されるほどの高い幸福度を示した人物です。銃声が耳元で響く状況で行われた別の計測では、こめかみの筋肉が痙攣するという人間として当然の反応を抑制しただけでなく、血圧がなんと逆に低下するという驚きの反応を示しました。それほどまでに瞑想の力は強いということです。

ところで雑誌記事の翻訳は紙幅との戦いでして、校正原稿ではみ出した数行をなんとか削って規定ページ内に収めるという作業がしばしば生じます。

その後、編集部の手でさらなる修正が施されることもよくあります。

そのせいで今回、冗長表現が生じてしまいました。
「リカールは、うわべには一切頓着していないようだった。この湿気まじりの寒さのなかでも、平気で両肩を露出した服装のままだというのに、それを少しも気にしていないようすだ」

とても残念なことです。料理に髪の毛が入ってしまうようなことで、プロには許されないことなのですが……。