鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

ルーマニアのカムガールについての翻訳記事がGQ Japanに掲載されました

 カムガールという言葉をご存知でしょうか?
 Web Cam Girlの略で、Webカメラを利用した双方向型アダルトサイトで、男性の求めに応じてエロティックな行為を見せてくれる女の子のことです。

 先進国の女性にとっては手っ取り早いお小遣い稼ぎの場となっているわけですが、東欧諸国ではこれが一大産業となっているのです。
 理由は三つ。国の貧しさ。東欧美女の魅力。英語が話せる女性がそこそこいること。
 そのため、業者がスタジオを用意して女の子たちを雇い入れるというスタイルが一般的になっています。
 ことにルーマニアはこの産業の一大メッカになっているとのことで、イタリア人記者による密着取材記事の翻訳を自分が担当しました。

 ルーマニアではカムガールは飛び抜けた高給取りの職種となっており、20代の女性にとってはもはやありふれた仕事のひとつなのだそうです。
 しかし、Webカメラ越しで直接的な肉体の接触はないとはいえ、顔はもちろん秘所もさらけ出す行為は風俗産業そのものです。
 そのため、カムガールへの蔑視は根強く残り、この商売を始めた友だちと絶交したばかりだという女子学生の言葉も紹介されていました。彼女は「商売女(whores)」という言葉で反感を剥き出しにしました。
 また、Webカメラとインターネットに繋がったパソコンさえあれば誰にでもできる簡単な仕事と思われがちですが、カムガールたちが日々されされているストレスは半端なものではなく、「鋼の根性を持つ女にしか務まらない仕事なのよ(Girls need a patience of steel to do it.)」という言葉も紹介されていました。

 そのように、単なる物珍しさや面白半分の紹介ではなく、貧しい国で夢をかなえようとするならその仕事を選ぶしかない若い女性たちの苦悩までも盛り込まれた、読み応えのある記事です。ぜひ、お読みいただければ幸いです。

 もう一本、「いま知るべき未来の開拓者たち」という記事の翻訳も担当しました。