鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

GQ Japan12月号に、男性の拒食症についての翻訳記事が掲載されました

 GQ Japan12月号の第一特集はTHE TIMELESSです。時が移り、時代が変わっても輝きを失わない逸品の数々が紹介されています。クラシック・ミニからドゥカティ450デスモに至るまで、ファッションの領域ではネイビーブレザーからクラシックウォッチにいたるまで、そして和の領域では昭和の名作住宅から卵かけご飯!にいたるまでが、上質なカタログのように並べられています。

 第二特集はジェームズ・ボンドです。最新作『007 スカイフォール』の見どころ紹介から、主演のダイエル・クレイグへのインタビューまで、そしてボンドシリーズの誕生秘話や最新ボンドガールであるベレニス・マーロウの紹介記事までがぎゅっと詰め込まれています。

 自分は、男性の拒食症を扱った翻訳記事を担当しました。「男性を襲う摂食障害」というタイトルで、Steven、Blake(仮名)、Willという3人のストーリーの折節に、男性の摂食障害についての解説が挿入されるという構成になっています。

 それにしても、男性の拒食症とは意外ですね。女性の病気という先入観が自分にもありましたが、じっさいには男性患者が全体の20%ほどを占めていて、しかもその割合は増加傾向にあるというのです。

 思春期前にこの病にかかると第二次性徴の到来が引き延ばされ、声変わりも陰毛が生えてくることもないままで成人する(その後、健康な体重を回復すれば第二次性徴は遅れてやって来る)ということや、深刻な拒食症患者の場合、栄養不足で骨粗鬆症になったり、認知機能が損なわれたりするといった点が心に刺さりました。

 また、今回も誌面の制約で抄訳になっており、原文に掲載された四人のストーリーのうち、Johnについては割愛せざるをえませんでした。原文はGQのWebサイトに掲載されていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

 GQ Japan12月号には、他にも連載「紳士の条件」や、「凡庸でナンセンスな領土問題」、「日本の「ものづくり」に欠けているもの」など、読み応えのある記事が満載です。ぜひ、書店で手に取ったり、ウェブで検索したりしてみてください。