鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

タリバンに父親を殺された少年の復讐劇がGQ Japanに掲載されています

GQ Japan 2017年5月号の表紙は映画『ラ・ラ・ランド』で話題のライアン・ゴズリング。カバーストーリーとして「ハリウッド1のいい男」である彼のインタビュー翻訳が掲載されています。ライアン・ゴズリングといえばラブドールを彼女にしたシャイな青年や、ダートバイクに乗る強盗だかなんだかを演じた作品もありましたが、ハンサムでありながら芸風が非常に幅広いですね。必読のインタビューです。

そして特集は春夏ファッションやファースト&ビジネスクラス機内食紹介記事など。

翻訳記事では、「ラストベルトの逆襲」というのが熱かったです。“遺棄系”と呼ばれる戦後すぐくらいのオンボロ中古車の中身をそっくり入れ替えて隠れたスーパーカーにしたてるビジネスを扱ったものです。この訳文の文体が、まるでラッパーの語りのようなヒップホップ調のもので、自分もこうした芸風を身につけたいものだとつくづく思いました。

なにせ自分は天保生まれ(ウソ)で長唄三味線を聴いて育った(こっちは半分ホント)の身の上ですので、仮名垣魯文的な戯作調が骨の髄まで染み込んでいるんですね〜。

今回自分は、タリバンに父親をころされたアフガニスタン人少年のストーリーの翻訳を担当しました。8歳で父親を殺されて復讐を決意し、11歳で指揮官として英雄になり……という、現代の日本人にはとうてい考えられない人生です。