鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」第18回が、Role&Roll Vol.111に掲載されています

 フィクションの鏡を踏み跨ぎ、現実中世の風俗や文化を紹介する連載記事、その第18回が、発売済みのRole&Roll誌111号に掲載されています。

 今回は「小屋住み農は辛いよ――中世の荘園」というタイトルで、西洋中世の農村の実状について、岡和田晃さんの筆でつづっています。

 農村というと先祖代々の農地と家屋を受け継いで……という閉じた共同体のイメージがありますが、意外と、小屋住み農という浮遊労働者層の受け皿にもなっていたようで、現代の日雇い派遣(禁止されたようですが)にも通じるものがあるかもしれません。特に最底辺労働者の自分としては身近なものを感じます。

 冒頭の掛け合いに出てくる荘園は、中央から左遷された騎士が経営しているものらしく、開拓農地のようなものなのでしょうか? 辺鄙な場所で独身の小屋住み農ばかりしかおらず、女手を求めているというあたりが意外で、またリアルでした。

 見田航介さんのイラストもいつもながらに出色で、「農業革命」と題された、農具の発達を横軸に記した一連のイラストなど、一目で変遷がわかるすばらしいものです。ぜひ、ご一読ください。

Role&Roll Vol.111

Role&Roll Vol.111