鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

SF Prologue Waveで『エクリプス・フェイズ』のシェアード・ワールド小説企画の第三弾が公開されました


 SF Prologue Waveは、日本SF作家クラブ公認ネットマガジンで、実績あるプロ作家によるショートショートやコラムが月二回ペースの更新でアップされ、無料で読むことができます。

 その晴れ舞台で、『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase、以下EP)の設定に基づいた短編小説群の第三弾が公開されました。

 今回の掲載分は以下となります。

1)朱鷺田祐介宇宙クジラと火星の砂
2)片理誠「黄泉の縁を巡る」第三回
3)伊野隆之「ザイオン・イン・アン・オクトモーフ」第二回
4)齋藤路恵「Feel like making love――about infomrph sex
5)岡和田晃月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.93掲載「『エクリプス・フェイズ』体験版フォローアップ(1) 仮装巡洋艦ラスト・ホープ

 2)と3)は、プロ小説家による短編分載の続きです。それぞれ宇宙冒険ものと、知性化タコものです。

 1)は、日本語版翻訳監修者・朱鷺田祐介さんの手になる短編。クジラ型生体義体が太陽コロナの波に乗るようにして泳ぐ。その義体を駆るのは汎用人工知性――というルールシステムに則った設定が、精彩に満ちた文章でつづられています。やや説明的な部分もありますが、それは短い文字量に情報を詰め込まねばならないからでしょうか。ぜひ、より長い分量でのびのびと書かれた朱鷺田さんのEP小説を読んでみたいものです。

 さて4)は、2011年6月に限定発行されたファンジン『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』に掲載された作品を改稿の上でカラーPDF家した作品。斎藤さんのこの短編、生活感があるというか登場人物の息づかいが聞こえてきそうというか、そんなところからファンジン掲載時から好みの一篇でした。ちょっぴりエッチなところがあるのも萌えます。

 最後に6)は、TRPG専門誌〈Role&Roll〉で朱鷺田祐介さんが連載している記事を、岡和田晃さんがわかりやすく紹介したものです。

 SF Prologue WaveでのEP企画は次回更新以降もまだまだ続きます。どうぞお楽しみに。