鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」連載第4回のご案内

 激しく今さらの話題ではありますが、2011年8月発売のRole&Roll誌Vol.83に、表題の記事が掲載されました。
 この連載は「フィクションの鏡を踏み跨ぎ」をキーワードに、現実中世の世相風俗を紹介するものです。

 今回のライティング担当は岡和田晃さんで、テーマはずばり、「幽霊」はいつからいるの?
 “煉獄”の概念の登場から各種幽霊譚の紹介、“死の舞踏”についてなどが詳細に綴られ、中世の死生観をつぶさに知ることができます。
 見田航介さんのイラストは、“死の舞踏”や15世紀のベストセラー『往生術』を扱ったもので、コンパクトでありながらたいへん資料性の高いものです。

Role&Roll Vol.83

Role&Roll Vol.83

 この連載は隔月掲載で、岡和田さんと自分(待兼)が交代でライティングを担当しているのですが、岡和田さんの記事を拝読すると、つくづくまとめ方がうまいなあと実感させられます。
 このあたりはライターとしての習熟度の違いなのですが、岡和田さんがひとつのテーマを軸にエピソードを川のようによどみない流れで綴られているのに対して、自分はどうもバラバラな断片のすし詰めになってしまいがちです。
 岡和田さんの記事を教科書に、自分ももっとすらすら読める記事を書ければと思っております。

GQ Japan誌9月号に翻訳記事が掲載されました

 こちらも報告が遅れましたが、2011年7月28日発売のGQ Japan誌9月号に、翻訳記事が掲載されました。
「日本人だけが知らない2011年3月、リビア革命勃発」という記事で、デモや内戦に参加した4人のリビア人へのインタビューを通じて、リビアの現状が多くの写真とともに綴られています。

 雑誌が出た7月末時点ではリビア内戦は膠着状態で、カダフィ政権による反体制勢力「国民評議会」の打倒すら懸念されたわけですが、それから約1カ月後の8月下旬には反体制勢力が首都トリポリを制圧し、カダフィが行方不明となりました。というわけでリビア内戦にはほぼ決着がついたわけですが、雲を分けて光明が射す前の五里霧中の状況を膚で感じることに、この記事が役立つのではないでしょうか?

 ちなみにこの号は、GQ Japanの通算100号にもなっており、100号記念の「HOT&COOL100」という特集記事でのさまざまなグッズや人物の紹介もユニークで必見です。個人的には電動モーターサイクルに惹かれますね。ガソリン車よりもトルクが太いようですし、何より冬の朝の始動の苦労がなくなるのが大きいです。

 なおリビアの記事は、Webでも読むことができます
 写真の質感などが紙版より見劣りはしますが、興味のある方はぜひ。