顔面移植についての翻訳記事がGQ Japanに掲載されました
映画やテレビCMで、誰かになりすましていた人物がマスクをすっぽり脱いで素顔をさらすという演出がよくあります。
マスクを脱ぐ瞬間のところはCG処理がされているのかもしれませんが、Aさんと思っていた人の顔の下にBさんの顔が隠れていたというのは、ドキッとさせられる演出ではあります。
これはあくまでフィクションの演出ではありますが、医療技術は進歩しており、それに近い手術が現実に可能になってきています。
散弾銃の暴発や高圧電線への感電で顔の一部分、ないし大半を失ってしまう人がいます。脳死状態のドナーから切り取った顔をその人に移植するという手術です。頭蓋骨に届くまでメスを入れて切り取った顔面をそっくりそのまま移植し、血管や神経をつなぎあわせるのです。
まさしく神業のような手術なのですが、顔とアイデンティティの問題など、いろいろ考えさせられる問題もあります。
また、顔の移植は臓器移植とは違って生存のために必要不可欠な手術ではなく、顔面の損失で失われた生活の質を高めるためのものであるため、倫理上の問題もはらんでいます。
そうした問題は1959年のフランス映画『顔のない眼』で早くも扱われ、また、1997年のハリウッド映画『フェイス/オフ』では刑事が捜査のために獄中にいる犯罪組織の大物の顔を自分に移植したところ、その人物が保存してあった刑事の顔を自分に移植させて復讐を企てるという筋立てになっていました。
今回自分は、全面顔移植手術を受けたリチャード・ノリスというアメリカ人男性についての翻訳記事を担当しました。
またもう一本、建築家フランク・ゲイリーについての翻訳記事も担当しています。
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