鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

トランプ大統領に翻弄される新聞報道についての翻訳記事が、GQ Japan 2018年4月号に掲載されました

 ジャーナリズムはトランプ政権時代をいかに生き延びるべきか、という記事です。
 筆者はトランプ政権暴露本『Fire and Fury』の著者マイケル・ウルフ(ウォルフ)氏。GQにもたびたび寄稿しているライターなのですが、例によって晦渋このうえない翻訳者泣かせの文章。
 今回の記事は、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とワシントン・ポスト(WP)を取り上げ、両紙の編集トップがトランプ大統領に示している対照的な姿勢を比較したものとなっています。
 トランプ大統領の虚偽発言を「ウソ」と決めつけることには慎重でありたいと発言するなど、トランプ新時代への軟着陸を試みているかのようなWSJのジェラルド・ベーカー編集局長。
 いっぽう、「民主主義は暗闇に死す」(Democracy Dies in Darkness)というスローガンを掲げて対抗姿勢をあらわにしたWPのマーティン・バロン編集主幹。

 原記事のタイトルはPaper Tigers。直訳すれば「張り子の虎」ですが、「新聞業界の虎」という含意もあり、なんとも訳しにくいタイトルです。
 これに「“紙々”の戦い」という訳題を編集部につけていただけました。原題のダブルミーニングをうまく生かしたタイトルになっていると思います。

 訳文には編集の手がかなり加わっています。元より作者があのMichael Wolffさんですから、訳者の力不足はおのずと明らか。もっともっと力をつけなければ。

炎と怒り――トランプ政権の内幕

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