鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

『図書新聞』を読む機会に恵まれました

はるこんの絡みで先週末に上京したのですが、その機会に、『図書新聞』を読む機会に恵まれました。

図書新聞』というのは、書評を中心にした新聞サイズの定期刊行物です。SNS全盛の世の流れの真逆をいく体裁なのですが、そこに大きな可能性を感じた次第です。

SNSを含めて、Web媒体は拡散力と双方向性に優れています。自分は『シミルボン』にも寄稿しているのですが、記事を公開した当日にいいねがつき、コメントがつくこともあるというのは、大きな励みになります。

しかし反面、Webは全体像が見通せないダンジョン型のメディアです。おのずと、耳に心地好い言説ばかりを選んで読むことになる危険性を指摘されてもいます。

その意味で、新聞というのは理想的な通覧型メディアです。ぱっと見で全体像を把握して気に入った記事を選んで読むという閲覧形態において、雑誌よりも機能的に優れています。ただし、カラー写真の美しさで読者の目を引くという機能では劣りますが。

それゆえ、池上彰佐藤優といった知の巨人たちも新聞での情報収集を続けているのだと思います。

とはいえ媒体そのものに右寄り、左寄り、といった傾向はあるものであり、さらにWeb媒体よりも記事の総量ではどうしても劣りがちであり、そういったことも考えあわせれば理想のメディアと持ち上げるだけで終わるのは片手落ちだとは思いますが、『図書新聞』の発行形態には大きな可能性を感じたものでした。

一部260円、半年6480円(送料込み)、年間12000円と、郵送での定期購読中心のメディアではありますが、都市部の大規模書店で目にする機会があればぜひ!