鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

ウサイン・ボルトのインタビューと、黒人警察官密着記事の翻訳が、GQ Japanに掲載されました

 GQ Japan 2017年3月号の特集は「GQ CHAPLIN STYLE――21人の旬芸人登場! お笑いで世界は輝く!」という一風変わったもので、ピースの又吉直樹さんと綾部祐二さんがチャップリンに扮した表紙写真など必見です。

 さて自分は、ウサイン・ボルトのインタビュー記事と、黒人制服警察官密着記事の翻訳を担当しました。
 後者は、2016年7月にテキサス州ダラスでアフガニスタン帰還兵の黒人男性マイカ・ジョンソンが引き起こした警察官5名射殺事件を受けてのもので、これは警察官が犠牲になる事件としては9-11以来の惨劇となりました。
 この犯人の動機には黒人至上主義運動にかぶれた面も大きく、それは到底容認するものではありませんが、アメリカで相次ぐ警察官による黒人殺害事件への抗議という一面もあり、犯人の性格の異常性のみに帰すべきではない点もあります。
 なにせ、イングランドウェールズで警察官が射殺した人数が24年間で55人であるのに対して、アメリカの警察は2015年の最初の24日間だけで59人を射殺しているのです。しかも黒人がその的になる確率は白人の2.5倍という声もあり、それへの抗議からBlack Lives Matter(黒人の命は〈命も〉大切だ)という社会運動が起こりました。
 2016年7月のその事件で5人の殉職警官を出したダラス市警のベテラン黒人制服警官に英国版GQが1週間密着した記事の翻訳になります。

 その他の記事では、1920年にローマ〜東京間の1万8000kmを複葉機で飛んだフェラン少佐の冒険飛行を、その機体の復刻版で再現しようとするプロジェクトのものが目を引きました。このフェラン少佐というのは、あの『紅の豚』の主人公の戦友のモデルなのだそうですね。