鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

戦鎚傭兵団の“非”幻想事典第35回がRole&Roll Vol.145に掲載されました

 フィクションの鏡を踏み跨いで現実中世の制度風俗を紹介する隔月連載が、R&R誌最新号に掲載されました。
 今回は自分の筆で、決闘裁判を取り上げています。
 見田航介さんのイラストがいつもながら素晴らしく、一目で丸分かり的な内容になっているので、ぜひイラストをご覧ください。

 今回もライターの力不足で書き切れていないことが多々あり、次のような内容も入れたかったのですが、割愛せざるを得ませんでした……orz

  • ・神判は必ずしも有罪を決めつけるものではなかった(13世紀初頭のハンガリーのヴァラドでの記録によれば、熱鉄神判を受けた者のほぼ半数は火傷していない、と判定されている)。――『決闘裁判―ヨーロッパ法精神の原風景』より
  • ・代闘士がいつから存在するのかは不明。しかし731年の「リウトプランド王付加王令」に明確な規定あり。――『決闘裁判―ヨーロッパ法精神の原風景』より
  • ・十字軍支配下のオリエントで、アラブ人が決闘裁判を見かけて何と野蛮なと感じたこと(※初稿で取り上げて、改稿で削った部分です)。――『決闘裁判―ヨーロッパ法精神の原風景』より
  • ・冷水神判は沈めば無罪だが、引き上げ用の縄が結んであったので、沈みっぱなしで死ぬわけではなかった。祈祷で清めた水が受け入れたから無罪という解釈。――PDF資料「中世ヨーロッパの裁判と現代司法」より

Role&Roll Vol.145

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