短時間正社員についての記事が、ダイヤモンド・オンラインに掲載されました
ユニクロの「4時間正社員」や、洋菓子のモロゾフの「ショートタイム社員制度」など、短時間正社員という働き方が日本でも広まりつつあります。勤務時間はパート並みでも、待遇は正社員と同等という制度です。
そう聞くと、なんて恵まれた制度なのかと思ってしまいますが、そもそもパートタイムは非正規雇用という日本の雇用慣行がおかしいのです。
この記事の準備をするなかで象徴的だなと感じたのは、1985年に成立したふたつの法律です。
男女雇用機会均等法と、労働者派遣法――このふたつです。
男女雇用機会均等法で女性の社会進出はたしかに進み、この法律の成立直後に企業に入社した女性が社長になるという事例もちらほら出てきています。
ただしその裏で成立した労働者派遣法によって、職場の女性を社員⇒派遣に待遇低下させるという流れも加速しました。
ちなみに、サラリーマンの夫の扶養家族である妻は国民年金の保険料を負担しなくてもよいという「第3号被保険者制度」が成立したのも1986年と、同時期のことです。
これは一見素晴らしいことなのですが、裏がありまして、夫に扶養されている妻をパートとして雇う企業は国のお墨付きをえて社会保険料負担を堂々と免れられるのです。
そのあたりについては、『主婦パート 最大の非正規雇用』という本がとても参考になりました。
また、伊丹十三監督作品で宮本信子主演の映画『スーパーの女』(1996年)もおもしろいです。
パートタイム大国と呼ばれるオランダと比較して記事にしました。
ただし記事には書ききれなかったのですが、ワークシェアリングやワーク・ライフ・バランスの優等生として語られることの多いオランダにも、移民差別という問題があります。人口の10%ほどを占める移民に低賃金労働を押しつけている問題です。
などなど、なかなか難しいものですね。