鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

Role&Roll Vol.95のゲームノベル「スペイン屋敷の恐怖」を堪能しました

 またR&Rにゲームノベルがつきましたね! といってもそろそろ次号が出る頃なのですが、ようやくプレイすることができました。
 今回の「スペイン屋敷の恐怖」は『ゴーストハンター13』という現在企画中であるらしいゲームにリンクしたもので、監修■安田均 作■柘植めぐみ 画■洋武 とクレジットされています。
 迷い込んだ館からの脱出ものという点ではVol.93所収の「テキサス・ゾンビーズ」と共通しますが、あちらがB級ゾンビ映画風、こちらが1920年アメリカを舞台とした古屋敷もの、とテイストの違いがあって、気分も新たに楽しめました。
 館からの脱出ものって、こういう短篇ゲームブックと相性がいい気がしますね。屋敷内の部屋数は『地獄の館』のような長篇と比べても大差はないと思うのですが、あちらはマッピングが面倒くさかったのに対して、こちらは見取り図があることも助かって、自分の現在位置とこれから向かうべき場所をある程度明確につかむことができてプレイしやすかったです。
 ゲームブックのパラグラフジャンプが、未知の部屋の扉を開けるどきどき感とよく合っている気もして、やっぱり館ものはいいですね。
 今回のゲームノベルには戦闘はありませんが、メンタルポイントというSANのようなものが設定されていて、指示があるごとにトランプで引いたカードの数字の分だけそれが減っていきます。簡素な処理だとは思いますが、それでも雑誌を開きながら脇でトランプをめくるという手間があります。家にトランプがなかったので、ズルしてこれは使わずにプレイしました。それでも充分に楽しめました。
 雑誌掲載のものならベッドに寝転がってプレイできる手軽さがほしいので、最初の「デスフロッグ・ダンジョン」のようなほかに何もいらないスタイルが好ましい気がします。ただそれでは物足りない人も当然いるでしょうから、そこはやはりアプリ化で対応してくれると嬉しいですね。

Role&Roll Vol.95

Role&Roll Vol.95