鞭打苦行のThrasher

翻訳者/ライター/最底辺労働者、待兼音二郎のブログであります

オールド・ワールド的な日本の警察

DNA鑑定で幼女を暴行殺害した犯人とされ、無期懲役刑で長年服役していた男性が実は冤罪だったという例の足利事件のニュースですが、さすがにあれには驚きました。

導入初期だったとはいえ、科学捜査の切り札であるはずのDNA鑑定が、いい加減な(恣意的な?)運用のせいで誤ったお墨付きを与える結果になったことと、のちに弁護団の独自鑑定によってその誤りを指摘されながらも黙殺しようとした態度がいかにも。

これではまるで、水戸黄門の悪役の奉行ではないですか。

自分は最近ますます時代劇好きが高じて、朝八時からの木枯らし紋次郎、十時からの大岡越前、四時からの水戸黄門、と1日に3本を仕事しながら観るという中毒症状的な状態にあるのですが、それだけにいっそう、あのニュースが時代劇のエピソードではなく、現代における現実の出来事であることに衝撃を受けました。

かつて高い検挙率を誇った日本の警察への信頼感も揺らごうというものです。いったいその何%がでっち上げの冤罪だったのかと。

しかもよりによって、幼女に対する性犯罪です。これ以上に人間として情けない罪はありません。息子を性犯罪者だと考えて死んでいかねばならなかった父親の心中はどんなものだったでしょう。

時代劇なら、これはまさしく必殺仕事人の出番ですね。

とは言いながら、仕事人が正義を全うしてくれるのはフィクションのなかだけで、現実にそうした殺し屋がいたとしても、こちらもまた都合の良い別人を悪人にしたてあげて殺すなんてことがあるかもしれませんが……orz