星屑のリグレット-メタルヘッドエクストリームリプレイ
TRPGの実プレイに不慣れなわたしは、ルルブやデータブックを読んで妄想をふくらませるというヘタレな行為を日課としています。
ゲームはしないがラノベの一種としてリプレイを読むという人もけっこういるようでして、どんなものかと思って自分でも読んでみました。
メタルヘッドエクストリーム リプレイ 星屑のリグレット (Role&Roll Books)
- 作者: 高平鳴海,F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2009/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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22世紀末、荒廃した地表に「メガシティ」がオアシスのごとく点在する地球で、「ハンター」と呼ばれるトラブル解決屋たちが活躍する設定です。マッドマックス+サイバーパンクという感じ。
パーティは元エースパイロットで万能型のジーン(♂)、ネットランナーのエレクトラ(♀)、メカニックのキャサリン(♀)、フルボーグ剣士の寂滅(♂)。四人とも個性的でキャラが立っているのはもちろんですが、「シーン制」というゲーム上の仕組みによって、章ごとに視点人物が入れ替わり、その人のモノローグからシーンが始まるという“読ませ方”に感心しました。
TRPGのリプレイというのは基本的にGM(ゲーム・マスター)とプレイヤーたちのセリフのやり取りだけで話が進むものであり、つまりは小説の最大の強みである人物の内面描写を長々と書き連ねることができず、その点でいかがなものかと思っていました。
しかし考えてみれば戯曲も同じようなものであり、シェイクスピアや河竹黙阿弥の作品など、舞台を観ずに戯曲を読んで想像するだけでも面白かった記憶があります。
小説にしても、レイモンド・チャンドラーのようにわざと内的独白を最小限に切り詰めて、行動をつうじて余韻のように心をにじませる書き方もあります。
『星屑のリグレット』に戻りますが、ストーリー以外にも、イラストがふんだんに用意され、ミッション遂行時の達成状況管理表や戦闘配置図なども随所にあって、たんなる文字だけの小説よりははるかに親切で魅力的な作りになっています。あと、これはノベルスサイズだからでしょうが、脚注が豊富に用意されていて、疑問がそのページ内で解決しますし、脚注がない部分ではページ下段が空白になってすっきりした印象があり、とても好感がもてました。文庫サイズに窮屈に詰め込むよりは、だんぜんノベルスサイズだなと思いました。
いや、リプレイってほんとにいいものですね、と水野晴男的にうなずいたのでした。
『サタスペ リプレイ アジアンパンク GO! GO!』も買っちゃいましたww